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大学院生の日常生活

日常生活

学部生のときとは違って、研究室内に自分専用の机とイスが確保され、研究室にどっぷりと浸かった生活になります。

修士課程の最初の1年は、平均して日に1~2の講義があり、半分程度の時間が講義に費やされるでしょう。残りの時間は、研究室でのゼミや研究になります。研究テーマは、状況によって変わりますが、10月の理学府大学院教育プログラムの開始にあわせて、最初の夏休み頃をめどに、指導教員と話し合って、概略を決めます。具体的なテーマがはっきりと定まるのは2年目になるでしょう。1年次の終わりには、リサーチレビューといって、自分の研究分野に関するまとめを発表します。FR参加者は必須です。

2年目は、初年度に講義の単位を取得していれば、ほとんどの時間を研究にあてることができます。就職希望の人は、1年次が終わる春休み頃から就職活動し、早い人は春ごろには内定しているので、存分に研究に打ち込めます。11月には、修士論文の中間発表会が行われ、進み具合や方向性などが予備審査されます。本審査は、2月中旬の修士論文発表会です。例年2日間開催しています。

理学府大学院教育プログラム (フロントリサーチャー育成プログラム、アドバンストサイエンティスト育成プログラム)

九州大学理学府では、他大学にはない、時代を先取りした大学院教育プログラムがあります。 それが、フロントリサーチャー育成プログラムとアドバンストサイエンティスト育成プログラムです。

フロントリサーチャー(FR)育成プログラム

みなさんは、将来に核となるリーダー的な研究者には、どんな能力が求められていると思いますか? 専門知識や技術はもちろんのこと、自ら先端学際領域を開拓していくような企画能力と情報発信能力が極めて重要なのです。

本プログラムの最大の特徴は、これらの能力を育成するための教授法がカリキュラム化されていることです。 プログラムの詳細は、 FR育成プログラムのホームページを見ていただくとして、 いくつかの特筆すべき内容を紹介しましょう。

  • 複数の教員が指導:指導教員のほか、他の専攻を含む教員からなるチームで研究指導が受けられ、 複数の専門分野の視点から自分の研究に対する意見や助言を受けることができます。 たとえば、物性物理でタンパク質の実験研究をしていたとすると、 生物物理の理論、生化学や生物学科の教員から構成されるチームで指導を受けることができ、 自分の研究を物理以外の広い分野で通 用するレベルにできます。
  • 専門講義:研究マネジメント論、英語発表のための実習など
  • 研究旅費の支給:国内外の研究会への旅費が確保されます。

アドバンストサイエンティスト(AS)育成プログラム

FR育成プログラムが研究者の世界のプログラムならば、 AS育成プログラムはもっと広い社会に理学で貢献するためのプログラムです。 こちらも、専門的な知識や技術だけでは駄目で、世界をまたにかける国際的な感覚、 狭い分野にとらわれない幅広い知識や技術、それに実社会でそれらを生かす能力が重要です。 AS育成プログラムの特徴は、FR育成プログラム同様これらの教授法がカリキュラム化されていることです。 プログラムの詳細は、 AS育成プログラムのホームページを見ていただくとして、こちらも特筆すべき内容を紹介しましょう。

  • 複数の教員が指導
  • 専門講義: 科学倫理・哲学、キャリアパスを構築するための講義など
  • 研究旅費の支給:国内外の研究会への発表のための旅費が確保されます。

奨学金など

日本学生支援機構(旧称日本育英会)の奨学金

例年約6割の大学院生が利用しています。入学前の申請のほうが、中途申請にくらべて、採用枠が大きく、採用されやすい傾向があります(※年によります)。 手続きは学務部キャリア・奨学支援課奨学金係

地方公共団体・各種団体の奨学金

手続きは学務部キャリア・奨学支援課奨学金係

企業の奨学金

いわゆるヒモ付き奨学金です。就職活動をはやくに済ませられるメリットもあります。詳細は就職担当教員。

日本学術振興会特別研究員(博士後期課程のみ)

採用されると、給与と研究費が支給されます。

ティーチングアシスタントなど

講義・学生実験や研究の補助 半年で10〜15万円程度(勤務時間数によって変わります)。

福岡での生活(費)

住居

多くの学生は、キャンパス周辺やJR・地下鉄沿線の駅近くのアパートを借りています。

物価

他の大都市から福岡に引っ越ししてくると、物価がとても安いと感じることでしょう。とくに食事は、クオリティーが高いのに安いです。

学費

国立大学はほぼ同じです。入学料282,000円、授業料年間535,800円です(平成11年~現在)。経済的な理由による免除制度や奨学金があります。

自然、スポーツ

1時間以内で、海・山にアクセスできます。ヨット・ウィンドサーフィン・ダイビング、パラグライダー・乗馬・登山などの本格的なスポーツも楽しめます。

在校生の声

学部生のときに、ミクロな世界を記述する理論である量子力学などを学ぶにつれて自分の常識が覆る心地を味わったことで、宇宙を最もミクロなところから理解したいと考え、素粒子理論研究室への進学を決めました。そして修士課程を終えたぐらいではまだまだ飽き足らず、博士課程に進学しました。

私が物理学をここまで続ける気になったのは、学生がやりたいことを存分にさせてくれる環境が整っているからだと思います。私の周りでも学生はそれぞれ全く別の興味深い研究に励んでいて、先生とまたは学生間で活発に議論を交わしています。学生間の議論で互いの研究を理解することがまた面白く、研究意欲が尽きません。

九大に来れば間違いなく満足のいく研究ができると思いますので、ぜひ興味を持ってみてください。

笠井 彩 博士課程2年(日本学術振興会特別研究員)